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☆Your tears (雨の言葉を聴こう2) [詩]

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・・・どうぞ皆様、「彼」を抱きしめてあげてください☆


もう眠ろうかなと思っていたとき、インターフォンの鳴る音が聞こえた。
誰だろう? こんな夜中に。
画面で確認してみたら、君だった。
・・・今日は来ないって言ってたのに。
でも君が来てくれるのは、嬉しいよ。
マンション入り口の玄関のドアロックを解除して、君を迎え入れる。

カーテンを少し開けたら、外は雨だった。
身体、冷えてないかな?
急いでお湯を沸かす準備をする。

ちょっと経って、もう一度インターフォンが鳴った。
ざっと部屋を片付けた後、ドアを開けて驚く。

「どうしたの・・・?」

君は濡れていた。
髪も、服も、カバンも全部、雨に濡れていた。
傘も差さずに、うちまで来たの?
慌ててバスタオルを取り出し、雫(しずく)を拭う。


『雨に抱きしめてもらおうと思ったんやけど・・・・・・』


消え入りそうな声で君が呟くから、思わず、バスタオルごと君を抱きしめる。
「風邪ひくから、とりあえず着替えて、(部屋の中)入って?」
君は黙ったまま、頷いた。

君に着替えと、新しいバスタオルを渡し、君の濡れた服を洗濯機に入れる。
シャワーを浴びて身体が温まったのか、窓を開けて、ひんやりとした、湿った風を部屋に入れる君。
お湯が沸いた。
カップに注いだ蓮花茶(ロータスティー)を君に渡すと、君は口を付けず、しばらくそれを両手で包みこんでいた。


『今日な・・・・・・、』


ベッドに腰かけたまま、君は少しずつ今日あったことを話してくれた。

言い終えて、君は。
静かに、涙を流した。
きっと、ここに来るまでの間、ずっと我慢してきた、涙だったんだろう。

頭から被っていたバスタオルで、顔を隠す君。
ねえ、隠さなくていいんだよ?
全部、見せて? 君は、そのままでいて欲しいよ。
ちゃんと、受け止めるから。受け止めているから。
ね?
知ってるでしょ。これでも、結構強いんだから。

立ち上がって、手にしているカップを受け取り、正面から君を包みこむ。
バスタオルを少しずらして、泣いている君の頬に、祈るように唇を滑らせた。

君のこの涙がやがて、今日、君が譲(ゆず)れなかったものを護り抜く盾となりますように。
君のこの涙がやがて、今日、君が護(まも)りたかったひととの夢を繋ぐ虹になりますように。

溢れる涙を止めようとしない君が、とても愛しいよ。
そう、痛みを流して、出し尽くして?
雨の神様が、囁いてるよ。
そんな君を誇りに想う、って。

ねえ、少しベランダに出てみない?
雨雲が夜空を覆っていて、星は見えないけれど、レインボーブリッジが綺麗だよ。
海に浮かぶ星を、ここから数えてみようよ。


明日も早いんだっけ・・・?
じゃあ、今日はこのまま、一緒に眠ろっか。
二人で眠るには狭いけど、我慢してね。
いつもみたいに、甘えていいよ。
はい、右腕貸してあげる。
え? 大丈夫、このくらいで痺れたりしないって。
これでも、結構強いんだから。
うふふ。何度も言うなって?
うん。そうやって、無理しないで、笑っていてね。
泣きたいときは、いつでも泣いて、いいからね。


・・・おやすみ。いい夢、見ようね。
いつか、現実(ほんとう)になる、いい夢を。


------


「涙拭いておくれよ」「抱きしめておくれよ」ってメッセージのお返事です。
もちろん、空想で妄想で自分勝手です。
東京でも、「素敵」はあるんだぞ!多分!って感じで勢いで作りました。

ちょっといい温度でしょ?(自己満足)
もはや、詩じゃないですけど。。。


雨の言葉を聴こうもあわせてお楽しみください☆


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