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☆Bird cage [詩]

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僕はレッドリストの常連だ
自然で生きる力はないし 最近じゃ仲間もほとんどみかけなくなった
「人間」に世話してもらわないと 個体数を増やすことすらできない希少な鳥
珍しい僕を見るため ガラス越し 警備員の監視の狭間を たくさんの「人間」が僕を見にやってくる
時には突然シャッターを切ったり 時には僕の眠りを妨げたりして
そして遠くのほうで「僕を見た」という自慢話と
もっと遠くで 僕を忘れた「人間」が他の常連を見つけては同じことを繰り返している

息が詰まる日常
恋もできない 自由に鳴くことすらままならない
本当に僕を苦しめているのは何? 誰? 僕自身?
見えない鎖に繋がれた 半軟禁状態の生活で
僕はここから解放してもらうことだけを祈って空を見上げる
灰色の空 コンクリートと鉄格子に囲まれた 狭くて重い空
今はもう 飛べなくなった翼を広げて
何度も助走をつけては 地面に墜落していく日々
そうして繰り返す絶望の夢の中
僕は重い瞼を開ける


僕は 夢でみた鳥かごの中の鳥みたく
時々息が詰まることがあるんだ
助けを求めるかのような心からの叫びを
傷ついた痛みを解き放つかのような慈愛に満ちたメロディを
魂をすり減らしては唄い続ける
それが今の 僕なりの主張

きっとあの鳥と僕は変わらない
僕と、レッドリストに載るあの鳥の存在理由(レーゾンデートル)は

僕の意思だけではどうにもならない力と
今日も戦い続けなくてはならないんだ
それは誰のためでもなく 自分自身を守るために

ねぇ 僕をここから出してくれるひと
その手の中にある 世界でたった一つしかない鍵に 早く気づいて
ここから出して その鍵で
僕ごと全て自由にして

辛いよ 苦しいよ 痛いよ 悲しいよ 切ないよ 淋しいよ
全部眠って 人形みたく生きたくない
僕はただ 笑っていたいだけなんだ
僕はただ ・・・・・・君を愛したいだけなんだ



---

レッドリストとは、絶滅のおそれのある野生生物のリストのことです。
言わずと知れた誰かのことをイメージして2005年に作りました。
なんだか今、苦しんでいるかもしれない彼にぴったりかもしれない・・・、当時深く書いたつもりはありませんでしたけれども。

これには続編があるので、ここで暗いまま終わるわけではありません。あしからず。
のんびり続編を待ってみてください。
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