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☆ハル×キミ×キス [詩]

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思わず笑みが零れる
そんなくすぐったいような季節がまた
君のご機嫌を伺いに来たよ
色とりどりの たくさんのチューリップを両手に
頬を桜色に染めて

少し戸惑いながら
少しはにかみながら
抱えきれないほどの幸せを連れて
数えきれないほどの喜びを連れて

「また逢えたね」

君のことを 1年前と変わらない愛で迎えてくれる
裏切ラナイ季節 裏切ラレイナイ季節
そう思うだけで 救われたような気持ちにならない?
凍りついてた心が氷解していくみたいに
君の強張っていた笑顔が ほら
ゆっくり、ゆっくり、
幸せって気持ちで満たされている微笑みに変わっていくよ

「お誕生日、おめでとう」

両手いっぱいのチューリップを君に差し出して
春は君を祝福する
それを合図に
君の中に眠る龍が 冬を越えて再び目覚め
天へと還ってゆく
永遠にも似た無限の身体(うみ/海)から生まれし龍が
目覚めたときに迸(ほとばし)る飛沫(しぶき)が
桜の花びらになってこの季節を覆い尽くすんだ

それは愛にも似た
それは恋にも似た
それは命にも似た
それは祈りにも似た
けれどどれにも当てはまらない
いとしい温度を伴って
君の中に再び溶けていく

そんな優しい温もりの中で生まれてきた君を
春はこれから先も 決して裏切らないだろう

落ち込んだときは抱きしめてくれて
嬉しいときは咲き誇る花が輪舞曲(ロンド)して
泣きたいときは強い風が悲しみを吹き飛ばして
誰かに恋したときは優しい雨が君にキスするよ

また次の季節を連れてくる風に
君は名残惜しそうに 行かないで をする
けれど、時は留(とど)まらない
流れてゆくものであり 重ねてゆくものだから

淋しそうな君を見て 少しだけ切なそうに
春は君にこう告げるんだ

「また逢えるよ だから、いつも笑ってて?
そしたら来年、私は君をすぐに探し出せるから」

裏切ラナイ季節 裏切ラレイナイ季節

同じ空の下にいる 同じ時代に生きる君へ
目指すべきこと 護りたいもの 愛する人
できるだけ多くを抱きしめていられるように
隣にいる仲間たちと肩を並べて
俯(うつむ)かず前を見て歩いていこう

次の春がやってくる頃まで
予想もつかない様々の いとしさを拾い集めていたら
しばらく会えない時間もきっと強く在れるよ
君が君であるための大切な何かを・・・

春に代わって、僕が護るよ 君の大事な想いを
それが、僕のたった一つの強い願い

また逢おうと君が約束した
優しい、いとしい時間を纏(まと)う春が訪れるまで

一緒に、次の春を待ちながら、夢見よ?
一緒に、春と、恋しよ?
一緒に、春を歌いながら、キスしよ?


---

新作です。
剛くん、お誕生日、おめでとう。
これが投稿される頃、札幌へ向かっているハズです。


ところで、「同じ空の下にいる」から、「君が君であるための」までのブロックは、あいうえお作文です。
頭文字をとってみてくださいね。
最後の「君」だけ「くん」で読んでいただければ。
おっ、とちょっぴりでも思ってくれたら嬉しいです。
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